寝る子は学力も育つ⁉
「寝る子は育つ」と言いますが、今回は「寝る子は学力も育つ」というテーマです。
先日脳研究者の池谷裕二氏の講演を聴いてきました。おもしろかったので氏の書籍も読んでみました。今回は、そこで知った学習に関する有益な情報のひとつである「学習と睡眠の関係」つまり学習したことをシッカリと身につけるには十分な睡眠を取ることが不可欠だ、ということについてご紹介します。
「毎日コツコツ」の効果
以前《「毎日コツコツ」の習慣を!》という記事を書きました。
そこでは次のことを書きました。
記憶には「短期記憶」と「長期記憶」があり、はじめて覚えようとする情報はまず短期記憶として記憶され、その情報に時間をおいて何度もアクセスするうちに、長期記憶として定着していくものなのです。その情報にアクセスしないで一定期間すぎると短期記憶からも消えてしまいます。
だから「毎日コツコツ」勉強する習慣をつけることが大切だということを述べました。
このように何度も同じ情報にアクセスして長期記憶にとどめることで《レミニセンス効果》が期待できるようになります。
レミニセンス効果とは
レミニセンス効果とは、
身につけたばかりの新しい知識よりも、脳の中でじっくり寝かせた知識の方が、脳にとっては利用しやすい知識になるという現象
〜池谷裕二著「受験脳の作り方」より〜
です。
池谷氏によると、そのためには睡眠も欠かせない要素なのだそうです。
睡眠の役割
最新の知見によれば、何か新しい知識を身につけたときには、その日のうちに十分な睡眠を取ることが推奨されています。逆に、一睡もせず詰め込んだ情報は、すばやく脳から消えてしまうことでしょう。
〜池谷裕二著「受験脳の作り方」より〜
これは、寝ている間に脳が様々な情報をどれが必要で、どれが必要でないかを吟味し、使える形にして脳内で整理してくれるからなのだそうです。
覚えたことがこうした形で整理されてくれば、レミニセンス効果がよりよく働くのですね。
「一夜漬け」は身につかない
だから寝る間も惜しんで「一夜漬け」で暗記したとしても、その知識は、翌日のテストでたまたま良い点が取れたとしても、十分な睡眠をとっていないことで、情報はうまく整理されずに脳から消えてしまう可能性が高くなります。つまり学力としては身につかないということになります。
実際、テストの前日あんなに苦労して覚えた公式や年号、漢字、英単語だったのに、しばらくするときれいサッパリ忘れてしまった経験、誰しもあるのではないでしょうか。
それは睡眠と関係があったのですね。
おわりに
「寝る子は育つ」と言いますが、学力も育んでくれるのですね。
といっても、もちろん寝ているだけでは学力は身につきませんので、念の為!
毎日コツコツ勉強したあとはぐっすり眠る、そんな習慣を身につけましょう!